NAKKA-Kの技術ブログ

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「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 」のUXについて考察しました

Nintendo Switch版「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 」(通称BoW)のUXについて考察してみました。

このゲームには素晴らしい仕組みや面白さなど多くの要素がありますが、今回話す内容はその中でもトップクラスに素晴らしい要素について書きたいと思います。

導入

BoWのもっともUXが高いと思う点が3つあります。

  • ほぼロードがない
  • スートーリーを意識しなくても良い
  • システム上の都合をユーザーに意識させていない

これらの要素は全て、ユーザーに対して開発者の問題やシステムの押し付けをしていないという共通点があります。

ほぼロードがない、とは

BoWの世界はオープンワールドになっており、エリア間の移動にロードがありマップが切り替わるという仕組みではなく、エリア同士がフラットで移動の際に遮るものはありません。

他のオープンワールドゲームにありがちな問題として、マップを高速で移動すると読み込みに時間がかかったりカクついたりすることがよくあります。 しかし、BoWでは殆どマップ読み込みのカクつきに出会ったことはありません。 (唯一例外として桃白白という特殊を実践した時、ごくごく稀にマップ読み込みにコンマ何秒か要する場合があります。)

スートーリーを意識しなくても良いこと、とは

オープンワールドではないゲームでは大体の場合、ストーリーを進めるごとにマップが解放されて先に進めるようになります。 そのためストーリーとしては自然に進行します。

オープンワールドのゲームでは自由にマップを歩けるため、ストーリー上先のマップにも行くことができます。 ですがストーリーの流れは限定されているため、ストーリーを進めるのが面倒になるということが多発しやすいです。

対してBoWではオープンワールドで自由にマップを歩ける上に、ストーリーすら自由に進められます。 そしてストーリーの進め方によってセリフやイベントが大きく変化します。 ストーリーの変化すら楽しんでプレイできます。

ちなみに私はプレイ開始直後、ラスボスに直行し頑張ってクリアしました。控えめに言って楽しいです。

システム上の都合をユーザーに意識させていない、とは

BoWはオープンワールドでマップ上で倒された敵やアイテムもそのままになります。 そのためシステム上ではその変化を保存するために多くの容量を使用します。 永遠に保存し続ければいつか容量が足りなくなってしまう場合もあります。
その上、ステージ上のアイテムが枯渇してユーザーが楽しめなくなるという場合も発生してしまいます。

それを解消するには多くの場合メタな表現(ゲームの都合で押し通すなど)をする必要があるわけですが、BoWでは「赤い月の夜」というゲーム上自然な内容によってそのシステムの容量を解放しています。

おそらく多くの一般人は裏でシステム容量の解放が行われていることにまったく気がつかないでしょう。 システム上の都合をユーザーに一切意識させることなく、ゲームシステム的にも自然に処理しています。 逆にその処理がユーザーへの面白さ提供にもなっているというのが非常に素晴らしい点です。

まとめ

開発やシステムの都合をユーザーに押し付けることほどユーザーの興を削ぐものはありません。 BoWはこれらの徹底が非常に高い水準で維持されています。 自分たちの作るゲームに大いなる愛を持って開発しているという点が伺えます。

ゲームに限らず、Webサービスなどの開発においても自分たちのサービスに対する愛を持って開発しましょう。